ランプは、手でボールを投げたり足で蹴ったりすることが難しい選手が使う、すべり台のような補助具です。選手は、ランプの上からボールを転がして投球します。
ランプを動かすのは、ランプオペレーターと呼ばれる補助者です。ただし、どこを狙い、どんな球を投げるかを決めるのは選手本人です。ここでは、ランプを使った投球がどう成り立っているかを紹介します。
選手が決めて、補助者が動かす
パラリンピックなどの大会でランプを使うのは、BC3 クラスの選手です。選手はランプオペレーターに指示を出し、ランプの位置や向きを合わせてもらいます。
大会の規則では、ランプオペレーターの仕事は、どれも選手の指示を受けてから行います。
- 選手の指示を受けて、ランプを動かす
- 選手の指示を受けて、選手の位置や車いすを調整する
- 選手の指示を受けて、ボールを丸めたり、ランプにセットしたりする
- エンドが終わったら、ボールを回収する
選手の指示がないのにランプを動かすと、反則になります。また、補助者が選手に投球のアドバイスや合図を送ることも認められていません。
補助者は、コートを見ない
大会の規則では、ランプオペレーターは、エンドの間、ボールを投げ入れるプレイングエリアを見てはいけません。コートに背を向けたまま、選手の言葉や合図だけを頼りにランプを動かします。
狙いを決めるのは、あくまで選手です。コートの様子を見て判断し、ランプの向きを細かく伝えるところに、選手の技術があります。
ボールを押し出すのも選手です。手で押し出す選手もいれば、頭や口などに付けた棒(ポインター)で押し出す選手もいます。ボールがランプを転がり始めた時点で、投球したことになります。
向きと高さで、ボールをコントロールする
ランプを使った投球では、主に次の2つを調整して、ボールの行き先を決めます。
- 向き:ランプの方向を左右に動かして、狙う線に合わせる
- 高さ:ランプを継ぎ足して、ボールが転がり出す高さを変える
高さを出すほど、ボールは速く転がります。ランプを長くつないで高くすると、遠くを狙ったり、コート上のボールを弾いたりできます。
補助者がボールを丸めるのにも意味があります。丸めることで真球に近づき、まっすぐ転がりやすくなるからです。
一方、ランプに照準器や水準器、ブレーキなど、狙いやスピードを調整する装置を付けることはできません。
手で投げる選手と、考え方は同じ
ランプを使っても、ボッチャの考え方は変わりません。ジャックボールのそばにボールを寄せる、相手のボールを押し出す、ボールに当てて弾く。手で投げる選手と同じように、場面に合わせて投球を選びます。
違うのは、力の加減を腕の振りで表せないところです。ランプを使う選手は、ランプの向きや高さに加えて、使うボールの種類で強弱をつけます。たとえば、硬いボールと柔らかいボールを、場面によって使い分けます。
大会の決まりと、地域でのちがい
大会の規則には、ランプを使う選手に向けた決まりがあります。
- 投球のとき、ランプがスローイングラインにかかってはいけない
- ランプオペレーターは、ボールを放すときに選手の体に触れない
- 競技規則では、ジャックボールを投げる前に、ランプを左右に20cmずつはっきり動かす(補助者が最初の方向決めを手伝えないようにするため)
最後の決まりは、日本ボッチャ選手権などで使う競技規則のもので、フレンドリーマッチ版にはありません。
地域のレクリエーションでは、決まりをゆるめることもあります。たとえば ONEボッチャのレクリエーションのルールでは、補助者がコートを見ることや、選手と話すことを認めています。ボールを押し出せない選手の代わりに、補助者がボールをスタートさせることもできます。
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