ボッチャのルールはひとつじゃない — 大会と地域の3つのちがい

ボッチャのルールは、選手権大会で使う「競技規則」、国内の特定の大会で使う簡略版「フレンドリーマッチ版」、地域や体験会の工夫の3つに分けて考えるとわかりやすくなります。それぞれの目的と違いを説明します。

ボッチャのルールは、ひとつではありません。大きく分けると、次の3つがあります。

  1. 日本選手権などの選手権大会で使う「競技規則」
  2. 国内の特定の大会で使う、簡略化した「フレンドリーマッチ版」
  3. 地域の体験会などで、その場に合わせて工夫したルール

どれも同じボッチャですが、目的に合わせて決まりの細かさが違います。自分がどの場面でボッチャをするのかがわかると、どのルールを見ればよいかもわかります。

なぜ、ルールがいくつもあるの?

公平に勝ち負けを競う大会では、細かい決まりが必要です。どの会場で試合をしても同じ判定になるように、用具やコート、時間まで、きちんと決めておく必要があります。

一方で、はじめての人が楽しむ場では、細かすぎる決まりが参加のハードルになることもあります。そこで、目的に合わせてルールの細かさを変えているのです。

1. 選手権大会で使う「競技規則」

日本ボッチャ協会の競技規則は、日本国内の選手権大会で、ボッチャをどのように行うかを定めたものです。日本ボッチャ協会が主催したり公認したりする、すべての選手権大会で使われます。

この競技規則は、国際的な統括団体である World Boccia(ワールドボッチャ)のルールを参考にしています。そのうえで、国内独自のクラスを設けるなど、日本の大会に合わせた運用を加えています。

選手権大会では、たとえば次のような決まりがあります。

  • 選手は、障がいの程度に応じた競技クラスに分かれて出場する
  • 試合の前に、ボールなどの用具が決まりに合っているかを検査する
  • 反則には、相手にボールを1球与える「ペナルティボール」や、警告のカードなどの罰則がある
  • 持ち時間は、クラスや種目ごとに決まっている

2. 国内の大会で使う「フレンドリーマッチ版」

フレンドリーマッチ版は、日本ボッチャ協会が競技規則を簡略化してまとめたものです。障がいのある人もない人も参加するインクルーシブな大会でも使えるよう、公表されています。

使われるのは、日本ボッチャ選手権とその予選を除いた国内の大会です。たとえば、ジャパンカップや全国ボッチャ選抜甲子園、全国障害者スポーツ大会などの試合がこれにあたります。大会ごとに決める申し合わせ事項と合わせて使います。

競技規則とくらべると、たとえば次のように簡略化されています。

  • コートの大きさは基準があるが、主催者の判断で調整できる
  • 大会として用具の検査は行わない(決まりに合っていないと判断された場合は検査することがある)
  • 反則をしたときは、そのボールをコートから取り除く「ボール除去」で対応する
  • 持ち時間は、大会の主催者が決める

大切なのは、フレンドリーマッチ版も大会のための競技規則だということです。地域の体験会で使う、自由な遊び方のルールとは別のものです。

3. 地域や体験会での工夫

地域の体験会やレクリエーションでは、大会の規則そのものではなく、参加する人や場所に合わせて工夫したルールで楽しむことがあります。

たとえば、日本ONEボッチャ連盟の「ONEボッチャ」というルールでは、次のような工夫をしています。

  • 参加する人に合わせて、コートを短くしてよい
  • ラインを引かずに、床にコーンを4つ置くだけでもよい
  • 投げる位置のラインを踏んでしまっても、罰則にしない
  • 「先に何点取ったら勝ち」という試合の決め方も使う

大会の規則とのちがいがよくわかる例が、ランプという補助具を使う選手の補助者です。大会の規則では、補助者は試合中にボールを投げる先のエリアを見てはいけません。一方、ONEボッチャのレクリエーションのルールでは、補助者が見てもかまいません。

地域の工夫は、団体や会場ごとに内容が違います。はじめる前に、その日のルールをみんなで確認しておきましょう。

このサイトの記事は、どのルールで書いているか

このサイトの学習記事は、次の考え方で書いています。

  • はじめての方向けのルールの説明は、フレンドリーマッチ版を基本にしています
  • クラス分けなど、選手権大会の制度に関わる内容は、競技規則と World Boccia のルールをもとにしています
  • 地域の工夫を紹介する記事では、公式のルールではないことを記事の最初に書いています

次に読む記事

学習記事の一覧はボッチャを知るにまとめています。

出典・参考資料

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