ボッチャの1投には、大きく分けて「寄せる」「押す」「当てる」の3つの使い方があります。それぞれアプローチ、プッシュ、ヒットと呼ばれます。どれを投げるかは、その1投で何をしたいかで決まります。
ボッチャは、白いジャックボールに、赤と青のボールを投げたり、転がしたり、ほかのボールに当てたりして、どれだけ近づけるかを競うスポーツです。日本ボッチャ協会も、ただ投げるのではなく、意図をもって投げることが大切だと伝えています。
基本の3つのショット
国際パラリンピック委員会公認の教材「I'mPOSSIBLE」のワークシートでは、3つのショットを次のように紹介しています。
- アプローチ(寄せる):白いジャックボールに近づけるために、手前に落として転がす
- プッシュ(押す):コートの中にあるボールを押すために、転がすように投げる
- ヒット(当てる):相手のボールに直接当てるために投げる
同じ教材では、狙ったところに止めたいときは、転がすよりも山なりに投げたほうが止まりやすいとも紹介しています。
東京都の体験会の記事では、蛯沢文子選手が、アプローチは「ジャックボールに寄せる」、プッシュは「すでにあるボールに当てて近づける」、ヒットは「邪魔になる相手のボールをどかす」技だと話しています。3つは、それぞれ投げ方が違います。
ただし、ショットの呼び方や、プッシュとヒットの境目は、資料によって少し違うことがあります。
3つのショットは、このあと1つずつ「アプローチ — 目標に寄せる」「プッシュ — 押して近づける」「ヒット — 強く当てて局面を動かす」でくわしく紹介します。
ジャックボールも動かせる
ボッチャでは、目標のジャックボールも、ほかのボールが当たると動きます。自分のボールをジャックボールにぶつけて、的の位置そのものを変えることもできます。
たとえば、自分のボールが集まっている場所へジャックボールを押して動かせば、一気に得点を増やせることがあります。ジャックボールの決まりは、ジャックボールのルールで紹介しています。
空中から狙う「ロブ」
転がさずに、空中を通して狙う投げ方もあります。英国の競技団体 Boccia UK の用語集では、前にあるボールを越えて、空中から目標のボールを動かすショットを「ロブ(LOB)」と呼んでいます。カナダの競技団体の指導資料には、手で投げる場合のショットとあります。
さらに、ほかのボールの上に自分のボールを乗せるような技もあります。日本ボッチャ協会の解説を交えたパラサポの記事では、トップ選手でも難しい「高等技術」と紹介されています。
場面ごとに、どう選ぶか
選び方の入口は、投げる前に、ジャックボールのまわりで何が起きているかを見ることです。
日本パラスポーツ協会のガイドでは、各エンドの序盤に、どれだけ正確にジャックボールへ近づけられるかが「カギ」だと書かれています。先にぴたりと寄せておけば、相手により多くのボールを投げさせることができるからです。
パラサポの記事では、トップ選手の試合で、次のような使い分けが紹介されています。
- ジャックボールにくっついた相手のボールが邪魔をしている
- ヒットでそのボールを横に動かし、ジャックボールを直接ねらえるようにする
- 最後の1投はプッシュで、ジャックボールを押して奥へ動かす
前が空いていれば寄せる。相手のボールが邪魔なら当ててどかす。ジャックボールやボールを少し動かしたいなら押す。まずは、この見方から始めると選びやすくなります。
点数の数え方は、得点の数え方で紹介しています。
どの順番で覚えるか
ショットを覚える順番に、決まった正解はありません。先ほどの蛯沢選手は、最初の半年で力加減を調整できるようになり、その次に3つの技を身につけたと話しています。いちばん得意なのはアプローチだそうです。
投げ方そのものに決まりはありません。手で投げることが難しい選手は、ランプなどの用具を使ったり、足で蹴ったりして投げます。
次に読む記事
- アプローチ — 目標に寄せる
- プッシュ — 押して近づける
- ヒット — 強く当てて局面を動かす
- ボッチャの用語集
学習記事の一覧はボッチャを知るにまとめています。
