韓国はなぜボッチャ強豪国なのか|10大会続くパラリンピック金

韓国は、パラリンピックのボッチャで1988年から2024年まで10大会続けて金メダルを取ってきました。なぜ長く強豪であり続けてきたのか。代表的な選手と、代表選考や練習環境といった競技基盤からたどります。

「世界のボッチャ」は、各国でボッチャがどう広がり、どんな選手や実績があるのかを、公式情報をもとにたどるシリーズです。最新ニュースではなく、その国のボッチャの基礎を知るための記事としてお届けします。

第1回は韓国です。韓国は、パラリンピックのボッチャで、1988年のソウル大会から2024年のパリ大会まで、10大会続けて金メダルを取ってきました。

なぜ韓国は、これほど長く世界のトップで戦い続けてこられたのでしょうか。

韓国の強さを支える競技基盤

韓国のボッチャをまとめているのは、大韓障害者ボッチャ連盟(대한장애인보치아연맹)です。国際競技団体のワールドボッチャ(World Boccia)の加盟団体で、国内では大韓障害者体育会(대한장애인체육회)に加盟しています。

国内では全国規模の選手権が続いています。2016年に済州で開かれた第10回大会には、選手や役員、運営スタッフなど300人が参加しました。

国の代表選手の選び方も決まっています。2026年の代表選考では、ランキングポイントをもとに、種目ごとに1位の選手を選ぶ基準が示されました。

代表チームを支える人も置かれています。連盟の2026年の採用告知では、国家代表トレーナーの仕事として、代表の常時訓練と、国際大会でのコンディション管理が挙げられていました。次の世代に向けて、次とその次のパラリンピックを目指す13〜21歳の有望選手の選考も行っています。

ワールドボッチャは、韓国がボッチャの発展に大きな資源を注いできたと紹介しています。ナショナルトレーニングセンターでは選手がフルタイムで練習し、試合を細かく分析する仕組みも使っているそうです。

韓国の長い実績の背景には、こうした競技を支える環境があります。

パラリンピックで続く金メダル

国際パラリンピック委員会(IPC)は、韓国のボッチャが1988年のソウル大会から毎回、少なくとも1つの金メダルを取ってきたと紹介しています。その記録は、2024年のパリ大会まで10大会続きました。

2008年の北京大会では、パク・コヌ(Keon Woo Park)が個人で、さらにペアでも金メダルを取りました。その後もロンドン、リオデジャネイロ、東京2020、パリと、毎回、表彰台のいちばん上に韓国の選手が立ってきました。

とくに存在感が大きい BC3

韓国の長い成功を語るうえで、特に存在感が大きいのがBC3です。BC3は、手で投げたり足で蹴ったりすることが難しい選手が、ランプというすべり台のような補助具を使って投げるクラスです。

2008年以降のパラリンピックの主な金メダルは、BC3の個人やペアで取ってきました。2012年のロンドン大会では、BC3個人の決勝が韓国の選手どうしの対戦になったこともあります。

ただし、韓国の実績はBC3だけではありません。2022年の世界選手権ではBC1/BC2のチーム戦で優勝し、2024年のパリ大会でもBC1とBC2の個人で銀メダルを取っています。

韓国を代表する選手たち

  • チョン・ホウォン(Ho Won Jeong):BC3。2008年の北京大会から5大会続けてパラリンピックに出場し、ペアと個人で合わせて4つの金メダルを取りました。東京2020大会では閉会式の旗手を務めました
  • チェ・イェジン(Ye Jin Choi):BC3。2012年のロンドン大会の個人で、チョン・ホウォンとの決勝を制して金メダルを取りました。東京2020大会ではペアで金メダルを取り、開会式の旗手を務めました
  • キム・ハンス(Han Soo Kim):BC3。2014年の世界選手権の個人で優勝しました。東京2020大会では、チェ・イェジン、チョン・ホウォンとのペアで金メダルを取りました

世界選手権でも続く実績

世界選手権でも、韓国は上位に名前を連ねてきました。2014年の北京大会では、BC3個人でキム・ハンスが優勝、チョン・ホウォンが2位に入り、BC3ペアでも優勝しました。2022年のリオデジャネイロ大会では、BC1/BC2のチーム戦で頂点に立っています。

韓国は大会を開く側にも立っています。2025年にはソウルでワールドカップが開かれ、ワールドボッチャは、韓国の審判が決勝の審判を任されるほどだったと伝えています。2026年には、同じソウルで世界選手権が開かれました。

日本から見る韓国のボッチャ

東京2020大会のBC3ペアの決勝は、韓国と開催国・日本の対戦でした。日本が第4エンドで3点を取って4対4に追いつき、延長の第5エンドで韓国が勝ちました。

国際大会でBC3の試合を見るときは、ランプの向きや高さを細かく指示する、選手の組み立てにも注目してみてください。

情報の確認について

この記事の情報は、2026年9月30日と10月1日に確認しました。大会の結果と選手の実績はIPCの公式記録と記事、競技の環境はワールドボッチャの記事と大韓障害者ボッチャ連盟の公式のお知らせをもとにしています。

選手の名前は、IPCの英語表記をもとにカタカナで書いています。韓国語の読み方と少し違う場合があります。最新の大会結果やランキングは、別の記事で紹介します。

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出典・参考資料

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